賃貸物件の鍵管理にスマートロックを導入する効果
賃貸物件では、入居者の入れ替わりにともなう鍵の受け渡しや交換の手配、紛失時の対応など、オーナーや管理会社が担う鍵の管理に手間がかかります。スマートロックは指紋やICカード、暗証番号などで解錠できるため、賃貸物件に導入すると物理的な鍵の受け渡しを減らせます。スマートロックを便利に使い続けるには、登録情報の管理や電池交換など、導入後の運用を決めておくことも大切です。この記事では、賃貸物件にスマートロックを導入するメリットや導入・運用のポイント、指紋認証付きスマートロックT20についてご紹介します。
◎賃貸物件の鍵の管理で生じやすい課題
オーナーや管理会社は、物件ごとの鍵を事務所や自宅で保管し、入居や退去のたびに受け渡しと本数の確認を行う必要があります。退去時に鍵がそろって返却されても、入居中に合鍵が作られていないかまで把握することは困難です。そのため賃貸物件では、次の入居者を迎える際に、鍵穴の部品であるシリンダーを交換するケースが多くあります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、鍵の取り替え費用を誰が負担するかについても考え方が示されています。それによると、破損や紛失のない鍵を入居者の入れ替わりにあわせて取り替える場合は、オーナー(賃貸人)が費用を負担するのが妥当とされています。ただし、ガイドラインは法律ではないため、賃貸借契約の特約で入居者の負担と定めている物件もあります。費用を誰が負担する場合でも、入退去が多い賃貸物件では、交換の手配や日程の調整といった手間が積み重なります。
入居中に起こる鍵のトラブルも、賃貸物件を管理する立場にとって負担になりやすいものです。同じガイドラインは、鍵をなくしたことによる取り替えについて、入居者の負担と判断される場合が多いとしています。一方で、費用を入居者が負担する場合でも、連絡を受けたオーナーや管理会社には、状況の確認や必要に応じた鍵業者の手配、解錠への対応といった手間が残ります。鍵をなくしたという連絡は、入居者が帰宅する夜間や休日に入ることもあり、時間を問わず対応が求められます。
空室の期間にも、賃貸物件の鍵の受け渡しは続きます。入居希望者の内見では、仲介会社に鍵を貸し出したり、現地のキーボックスに鍵を預けたりして、返却されたかを確かめる必要があります。原状回復の工事や清掃、設備の点検で業者が出入りする際にも、そのつど鍵を渡して回収する手間がかかります。物理的な鍵の受け渡しを前提にした管理では、物件の数や出入りする人が多くなるほど、鍵の所在を管理する作業も増えていきます。
◎賃貸物件に導入できるスマートロックとは
賃貸物件の鍵の管理にかかる手間を減らす方法のひとつに、スマートロックの導入があります。スマートロックとは、指紋や暗証番号、スマートフォンなどを使って玄関ドアの施錠・解錠を行う電子錠の一種です。
スマートロックは、入力された指紋や暗証番号などを、あらかじめ登録した情報と照らし合わせ、一致すると解錠します。自動施錠機能を備えたスマートロックは、ドアが閉まると自動で鍵をかけます。スマートロックは電気で動くため、電池式の製品では定期的に電池を交換しなければなりません。電池切れに備えて、外部から一時的に給電できる端子や、物理的な鍵で解錠できる仕組みを持つスマートロックもあります。
スマートフォンのアプリと連動するスマートロックは、BluetoothやWi-Fiなどの無線通信で本体とやり取りします。Bluetoothは、スマートフォンが近くにあるときに直接通信する方式です。離れた場所から操作するには、ゲートウェイと呼ばれる中継器が必要になる場合があります。Wi-Fiに接続できるスマートロックや、ゲートウェイを設置したスマートロックであれば、現地へ行かずに施錠の状態を確認できます。
スマートロックで使える解錠方法は製品によって異なり、それぞれ使い勝手にも違いがあります。指紋認証なら持ち物が要らず、センサーに指を置くだけで解錠できます。指紋そのものは他人に貸したり教えたりできないため、ICカードや暗証番号に比べて、入居者以外の人に使われにくいのも特長です。
ICカードは財布やパスケースに入れたまま使え、スマートフォンを持たない入居者でも手軽に扱えます。暗証番号は手ぶらで出かけたいときに便利ですが、番号を他人に知られないような使い方が求められます。スマートロックをスマートフォンのアプリで解錠する場合は、充電切れや機種変更で使えなくなることもあるため、ほかの解錠方法と組み合わせておくと安心です。さまざまな入居者が暮らす賃貸物件では、こうした解錠方法を使い分けられるスマートロックが向いています。
◎賃貸物件にスマートロックを導入するメリット
賃貸物件でスマートロックを使うメリットとしてまずあげられるのが、入居者が入れ替わるたびに必要だった鍵の受け渡しや交換の手間を減らせることです。スマートロックでは、退去する入居者が使っていた指紋やICカード、暗証番号の登録を削除すれば、その情報では玄関ドアを解錠できなくなります。登録の入れ替えは業者を呼ばずに行えるため、賃貸物件の入退去が重なる時期でも作業の日程を組みやすくなります。
入居者がICカードを紛失したときに、鍵を交換せずに済むこともスマートロックのメリットです。なくしたICカードの登録を削除しておけば、そのカードで解錠されることはありません。指紋や暗証番号でも解錠できるスマートロックであれば、入居者はICカードがなくてもそのまま部屋に入れます。
入居者にとっても、スマートロックには鍵を持ち歩かずに出入りできる便利さがあります。自動施錠機能があるスマートロックなら、閉め忘れの心配も少なくなります。スマートロックは設備のひとつとして賃貸物件の募集情報に記載でき、入居希望者へのアピールにもつながります。
スマートロックを導入すれば、賃貸物件の内見や業者の出入りにともなう鍵の貸し出しも減らせます。使える期間を限った暗証番号を発行できるスマートロックもあります。仲介会社や工事業者に番号を伝えれば、相手は番号を入力して賃貸物件の玄関ドアを解錠できます。鍵を貸し出して返却を確かめる手間が省け、キーボックスに鍵を預けておく必要もなくなります。解錠の履歴を記録できるスマートロックであれば、内見や作業でいつ解錠されたかを、あとから確かめることもできます。
◎賃貸物件にスマートロックを導入・運用する際のポイント
賃貸物件でスマートロックを長く安心して使うには、導入前の確認と、登録の管理や非常時の対応といった運用のルールづくりがポイントになります。
導入前にまず確かめたいのは、スマートロックの取り付け方法です。スマートロックには、室内側のサムターンに貼り付けるもの、既存の錠前の一部を交換するもの、ドアを加工して固定するものなどがあります。賃貸物件では、将来ほかの機器に入れ替えたり元の錠前に戻したりする可能性も考えて、ドアを傷めにくい取り付け方法を選ぶのがおすすめです。
また、スマートロックは製品ごとに対応する錠前やドアの厚さが決まっているため、玄関ドアにあうかどうかも確認が必要です。錠前の種類は、ドアの側面にある金属板に刻まれたメーカー名や型番で確かめられます。同じ賃貸アパートでも住戸ごとに錠前が異なることがあるため、複数戸に導入する場合はすべての住戸で調べておくとスムーズです。
物理的な鍵でも解錠できるスマートロックであれば、その鍵をどう扱うかも導入前に決めておきたいポイントです。入居者にも鍵を渡す場合は、これまでどおり、退去時の回収やシリンダーの交換を検討する必要があります。一方、賃貸物件の鍵を非常用としてオーナーや管理会社が保管し、入居者には渡さない運用にすれば、鍵の受け渡しそのものを減らせます。その場合は、スマートロックが電池切れや故障で解錠できなくなったときに部屋へ入る方法を管理する側で用意しておくと、万一のときも落ち着いて対応できます。
すでに入居者がいる賃貸物件の住戸にスマートロックを導入する場合は、工事の日程を事前に調整しておきましょう。あわせて、スマートロックの使い方や登録の手順を説明する機会を設けると、入居者も安心して使い始められます。
導入後の運用では、電池交換を入居者に任せるのか、オーナーや管理会社が定期的に行うのかを決めておくと、交換のタイミングを管理しやすくなります。入居時には、緊急時の連絡先や、電池切れ・故障時の対応方法を書面で案内しましょう。スマートロックの電池残量が少なくなったときの知らせ方も伝えておけば、入居者も慌てずに済みます。
指紋認証のスマートロックでは、指が濡れていたり極端に乾燥していたり、けがをしていたりすると、指紋を読み取りにくくなる場合があります。そのため、ICカードや暗証番号も登録しておくよう入居者に案内すると、閉め出しを防ぎやすくなります。
内見や業者の出入りに期間を限った暗証番号を使う場合は、番号を誰にいつまで伝えたかを記録しておきましょう。使い終わった番号を削除する手順も決めておけば、不要な番号が残ったままになるのを防げます。解錠の履歴を確認できるスマートロックでは、オーナーや管理会社が履歴を見る範囲や目的を入居者に伝えておくと、プライバシーへの不安をやわらげられます。
退去に備えて、スマートロックの登録を誰がいつ削除するかを決め、退去の手続きに組み込んでおくことも大切です。削除の担当を決めておけば、前の入居者の情報がスマートロックに残ったまま次の入居者を迎えずに済みます。また、本人確認のために登録した指紋の情報は、個人情報保護法で個人情報として扱われます。賃貸物件では、指紋の情報を誰が扱えるのか、退去時にどのように消すのかを、入居者に説明できるようにしておきましょう。
◎賃貸物件の玄関ドアに取り付けられるスマートロックT20
チャットロックのスマートロックT20は、指紋・ICカード・暗証番号・物理的な鍵の4つの方法で解錠できる、指紋認証モデルの電子錠です。解錠方法が複数あるため、賃貸物件の入居者は暮らし方にあわせて使いやすい方法を選べます。スマートロックT20には、使うたびに進化するAI学習型3D指紋認証が採用されています。本体は近づくだけで自動的に起動するので、帰宅時にボタンを押す手間もかかりません。スマートロックT20は自動施錠に対応しているため、入居者の鍵の閉め忘れ対策にも役立ちます。
スマートロックT20の取り付けは、LA/LSPという型番の錠前を交換する方式です。対応するドアの厚さは30〜50mmなので、賃貸物件に導入する前に、錠前とあわせて確認しておくと安心です。室外側の本体は幅66mm、高さ146mm、奥行き33mmと、コンパクトな設計になっています。
電源には単3電池8本を使い、電池が切れたときのためにUSBからの非常用給電にも対応しています。物理的な鍵でも解錠できるので、電池切れや故障などで電子的に開けられないときにも備えられます。動作できる温度は0〜50℃で、リチウム電池を使えば−20℃まで使用できます。冬に冷え込む地域の賃貸物件でも、リチウム電池を選べばスマートロックT20を使いやすくなります。
◎スマートロックT20の賃貸物件での活用例
賃貸物件の玄関ドアにスマートロックT20を導入すれば、入居者の入れ替わりにかかわる管理の手間を減らし、毎日の出入りも便利にできます。
⚪︎単身者向け賃貸アパートの入退去にスマートロックT20を活用
学生や単身の社会人が多い賃貸アパートでは、3月から4月にかけて退去と入居が集中し、鍵交換の手配が重なりやすくなります。スマートロックT20を導入して物理的な鍵をオーナーや管理会社の手元に置いておけば、入居者に鍵を渡さずに済みます。退去の際は、立ち会いにあわせてスマートロックT20からそれまでの入居者の登録を削除するだけです。入居日に新しい入居者の指紋や暗証番号を登録すれば、鍵を交換しなくても部屋を引き渡せます。賃貸アパートに入居する学生も、鍵をなくす心配をせずに新生活をはじめられます。
⚪︎ファミリー向け賃貸マンションの子育て世帯にスマートロックT20を活用
共働きの家庭や子どものいる世帯が多い賃貸マンションでも、スマートロックT20が役立ちます。保護者は指紋、小学生の子どもはランドセルに付けたICカードというように、家族一人ひとりに合った解錠方法を登録できます。子ども用に合鍵を作って持たせなくてもよくなります。子どもが先に出かける朝も、スマートロックT20の自動施錠で、閉め忘れたまま家を空ける心配が減ります。家族が増えたときも、解錠方法を追加で登録するだけで対応できます。
◎まとめ
賃貸物件の鍵の管理では、入退去や鍵の紛失のたびに、鍵の回収や交換の手配などが発生します。スマートロックを導入すれば、指紋やICカード、暗証番号の登録を削除・追加するだけで、入居者の入れ替わりにも対応しやすくなります。賃貸物件でスマートロックを導入する際は、錠前の確認に加えて、登録の削除や電池交換を誰が担うかといった運用まで決めておくことが大切です。カギ舎では、チャットロックのスマートロックT20を取り扱っています。賃貸物件へのスマートロックの導入をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

